勧誘経由でインターネット回線を契約してしまい後悔していませんか?
よくわからないままに契約してしまったネット回線の契約は、初期契約解除制度を利用すれば違約金なしでキャンセルすることができます。
そこで本記事では、初期契約解除制度の利用方法をどこよりもわかりやすく解説していきます。
インターネット契約についてお困りではありませんか
1.初期契約解除制度とは
初期契約解除制度とは、ごく簡単にご説明すると「インターネット回線の契約で利用できるクーリングオフ制度」のことです。
必要事項を記入した書面を事業者あてに送付することで適用可能で、契約期間の縛りに伴う違約金などを支払うことなく契約のキャンセルができます。
携帯電話やスマートフォン、自宅の固定回線などの契約では、プラン内容が複雑で意図せぬ料金が発生したり、重要事項の説明を省いたり、強引な勧誘をするなど、いわゆる詐欺的な内容の契約が横行していました。
そうしたトラブルから顧客を守るため、2016年5月21日に施行された「電気通信事業法等の一部を改正する法律」によって制定されたもののひとつが『初期契約解除制度』です。
- 実際に使ってみたものの速度が遅くて使えない
- 申し込み時点で聞いていたのと契約内容が違う
といった問題が発生した際に利用できる制度ですが、初期契約解除制度には利用できる期間と範囲が定められています。
1−1.期間・範囲・費用
初期契約解除制度が利用できる期間と範囲について確認していきましょう。
1−1−1.期間
初期契約解除制度が利用できるのは、契約書面を受け取った日を初日と起算して8日以内と定められています。
8日以内に書面を作成して送付していれば初期契約解除制度の効力が有効となるので、必ずしも8日以内に書面が事業者側に到着している必要はありません。
1−1−2.範囲
初期契約解除制度の対象となる範囲は以下の通りです。
なお、アルファベットやカタカナなど難しい用語が出てくるので、以下の用語解説と照らし合わせながらご参照ください。
用語 | 解説 |
---|---|
FTTHインターネット | ドコモ光やauひかり、ソフトバンク光、フレッツ光などの光ファイバーを使う「光回線」 |
DSL | ADSLやVDSLなどの電話局から引かれたメタル線(アナログ回線)を使ったインターネットサービス |
CATV | JCOMや各地方のケーブルテレビ局が提供するインターネットサービス |
ISDN | 電話やFAXなどひとつの電話番号で2回線使えるインターネットサービス |
MNO | ドコモ、au、ソフトバンクなど、自社でモバイル回線を保有する「移動体通信事業者」 |
MVNO | 格安SIMなどの他社からモバイル回線を借り受けている「仮想移動体通信事業者」 |
FWA | WiMAX(旧回線)やソフトバンクエアー(AXGP)などの無線を使うデータ通信サービスの総称 |
IP電話 | ひかり電話などのインターネットを介して行う音声通話機能 |
公衆無線LAN | フリーWiFi、無料WiFiなど |
プリペイド | 料金を支払い済みのサービス |
PHS | 携帯電話のさきがけともいえる無線通信可能な携帯電話の一種 |
移動通信サービス (スマホ、タブレット、WiFiルーターなど) | 固定通信サービス (光回線、CATVなど) | |
---|---|---|
対象サービス |
※いずれもプリペイド除く |
|
対象外サービス |
|
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※2021年4月時点の情報を掲載しています
上記を簡単にまとめると、
- 光回線(フレッツ光、ドコモ光、ソフトバンク光、auひかりなど)
- 大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)
- 格安SIM(UQモバイル、mineo、BIGLOBEモバイルなど)
- CATV(JCOMや各地方のケーブルテレビ局など)
- 契約期間の縛りがあるポケットWiFi、WiMAXなど
は初期契約解除制度の対象となります。
逆にいうと、契約期間の縛りが設けられていないサービスについては初期契約解除制度を利用することはできないのでご注意ください。
1−1−3.費用
上記に該当するサービスへの申し込みに該当する場合は初期契約解除制度を利用できます。
ただし、初期契約解除制度を利用した場合であっても完全に無料で契約をキャンセルできる訳ではありません。
契約者が支払う必要のない費用 | 契約者が支払う必要のある費用 |
---|---|
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|
たとえば、ソフトバンク光を契約して初期契約解除制度を利用する場合、費用の発生有無は以下のとおりとなります。
契約者が支払う必要のない費用 | 契約者が支払う必要のある費用 |
---|---|
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※2021年4月時点の金額を掲載しています
ご覧のとおり、初期契約解除制度で無料にできるのは契約解除料やサービス利用開始前に発生したサービス料金のみです。
契約解除までに利用した通信料や通話料に関しても支払う必要があります。
契約事務手数料や固定回線の開通工事費、SIMカードの発行手数料、サービスを利用するための通信機器購入費用については返金対象ではないので気をつけましょう。
1−2.クーリングオフとの違い
初期契約解除制度は、しばしば“インターネット回線専用のクーリングオフ制度”と例えられることがあります。
ですが、厳密にいうと初期契約解除制度とクーリングオフ制度では以下のような違いがあります。
初期契約解除制度 | クーリングオフ制度 | |
---|---|---|
特徴 | 一定期間内に限定して通信契約のキャンセルができる | 一定期間内に限定して訪問販売や電話勧誘などの契約を取り消せる |
具体例 | ◯:店頭に自分で赴いて契約した光回線の契約 ×:通信サービス以外の商品契約 | ◯:訪問販売でその気がなかったのに商品を契約してしまった ×:対面販売や通信販売など自分の意志で商品を購入した |
クーリングオフ制度は訪問販売や電話勧誘などで、もともとその気はなかったのに雰囲気に飲まれて商品契約をしてしまった場合に適用可能な制度です。
自分の意志で店頭に赴いて購入した商品などに対してはクーリングオフ制度を利用できないので、ごく簡単に説明すれば「詐欺や悪徳業者から消費者を救済するための制度」といえます。
一方の初期契約解除制度は、自分で問い合わせをしたり店頭に赴いたりして契約した商品であっても、一定期間内に限定して無条件で契約をキャンセルできることが特徴です。
ただし、「契約期間による縛りなどの条件を無視してキャンセルできる」というものなので、それまでに利用した通信料や諸々の手数料、固定回線の工事費用など、ある一定の支払いが発生するということは覚えておきましょう。
1−3.注意点
初期契約解除を利用する際には以下の点に気をつけましょう。
- 初期契約解除を利用しても固定回線の開通工事費や解除までに利用した分の通信料などの支払いは発生する
- 電気通信サービスの契約と同時に購入(契約)したスマートフォンやルーターなどの端末に関しては初期契約解除が適用されない
- 端末購入に関しては「確認措置」が適用された場合に限って一切の契約を解除できる場合がある
- 契約期間の縛りが設けられていない電気通信サービスについては初期契約解除を利用できない
- IP電話(ひかり電話)などの一部のオプションには適用されない
- 運営元が提供していないオプションは別途解約の手続きを行う必要がある
- 固定回線やスマートフォンの乗り換えなどの場合は初期契約解除をしても以前の契約状況に戻せない
初期契約解除は、あくまで“契約期間のある電気通信サービスを無条件でキャンセルできる”という制度です。
そのサービスを利用するために発生した手数料や固定回線の開通工事費、端末の購入費用などに関して初期契約解除は適用されません。
また、スマートフォンや固定回線の乗り換えをした場合に初期契約解除を利用しても、元のサービスはすでに解約済みとなっていることから以前の契約内容に戻すことはできません。
契約期間の縛りによる高額な違約金を支払わずに解約できる制度であることを理解した上で利用するようにしてください。
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2.各インターネット回線の初期契約解除制度の書面での書き方
初期契約解除を申請する際の書類には決められたフォーマットなどはありません。
各項目で解説する必要事項を記入して、自分で作成した書類やはがきを事業者に提出するだけで契約の解除ができます。
本章では、初期契約解除を利用する際の書面の書き方をサービスごとに分けてご説明します。
次章で、書面を作成した後の手続きの流れについても解説していくのでしっかりと確認していきましょう。
2−1.ドコモ光、ソフトバンク光、ビッグローブ光など主要光回線
ドコモ光やソフトバンク光、ビッグローブ光といった主要な光回線における初期契約解除制度の書面の書き方は以下の通りです。
- ご契約者名(フリガナ)
- ご契約住所
- ご連絡先電話番号
- 該当サービスの契約を解除したい旨
- 書面発送日
- 申込日
これらの情報を記載した書面やはがきを作成して、サービス運営元の事業者に宛てて発送すれば初期契約解除が完了します。
上記の内容に加えて、スマートフォンとの紐付けがある場合には該当回線の電話番号、自分の契約者ID(顧客番号)などがわかれば記載します。
光回線サービスについては契約書面などに初期契約解除制度に関する案内が必ず記載されているので、そちらも合わせてご確認ください。
2−2.WiMAXやモバイルルーターなど
WiMAXやモバイルルーターなどにおける初期契約解除制度の書面での書き方は以下の通りです。
- ご契約者名(フリガナ)
- ご契約住所
- ご連絡先電話番号
- 該当サービスの契約を解除したい旨
- 書面発送日
- 申込日
記載内容は光回線の場合とまったく同じです。
なお、WiMAXやモバイルルーターでは端末が無料で入手できることを売りにして販売する事業者がいます。
端末を自分で購入した場合は端末を返却する必要はありませんが、端末代金が無料になっている場合は事業者から提供された端末やSIMカード、その他備品の全てを一式返却しなければなりません。
返送する際の費用は契約者負担で、返送品に欠品や破損がある場合には損害金(弁済金)が発生する場合があるのでご注意ください。
2−3.mobileや格安SIM
スマートフォンや格安SIMにおける初期契約解除制度の書面での書き方は以下の通りです。
- ご契約者名(フリガナ)
- ご契約住所
- ご連絡先電話番号
- 該当サービスの契約を解除したい旨
- 書面発送日
- 申込日
- 割賦契約(分割払い)の有無
- 割賦残債がある場合は支払い方法(一括・分割継続のどちらか)
記載内容は光回線の時とほとんど同じですが、スマートフォンをセット購入している場合はその端末において割賦契約(分割払い)があるかどうかについても記載します。
ただし、ほとんどの格安SIMでは各MVNO独自のマイページが用意されていることが多く、初期契約解除制度の申請はマイページから手続きできるケースも少なくありません。
公式ホームページに初期契約解除制度についての案内が記載されているので、そちらを確認しながら申請を行うようにしましょう。
3.契約から初期解除制度までの流れを確認
電気通信サービスを契約してから初期契約解除制度を利用するまでの基本的な手続きの流れは以下の通りです。
- 電気通信サービスの契約
- (書面受領日から起算して8日以内に)書面を作成
- (書面受領日から起算して8日以内に)作成した書面を発送
…発送先住所については申込書面または公式ホームページでご確認ください - 事業者から初期契約解除制度のための確認連絡
初期契約解除制度は申込書面を受領した日から起算して8日以内に書面を発送すれば適用されます。
端末やSIMカードの返却が必要な場合は、作成した書面に同封して発送するだけでOKです。
期日を過ぎてしまうといかなる場合においても初期契約解除制度が適用されなくなってしまうので、必ず8日以内に申請手続きを行うようにしましょう。
4.初期契約解除制度が適用出来ない場合の対処法
初期契約解除制度が利用できる期間を過ぎてしまった場合、高額な違約金を支払って解約するしかありません。
固定回線では10,000〜20,000円前後、スマホの契約では10,000円前後、WiMAXでは最大20,000円以上の高額な違約金が発生してしまいます。
ですが、それらを解約した後に他の電気通信サービスに乗り換えるのであれば、乗り換え先のサービスのキャッシュバックや違約金負担キャンペーンを利用することで経済的な負担を軽減することができます。
4−1.キャッシュバック
光回線やWiMAXなどの電気通信サービスを契約する際、一部の事業者では現金キャッシュバックを行っていることがあります。
キャッシュバックが振り込まれる時期は事業者によって異なりますが、最短で開通月の翌々月(2か月後)には数万円以上の特典が受け取れます。
違約金自体はサービス解約月の翌月に請求されてしまうので、キャッシュバックよりも先に解約金を支払うことになりますが、それでも違約金を補ってあまりあるほどのキャッシュバックを受け取れることも少なくありません。
キャッシュバックを受け取るには「複数オプションの契約」「別サービスの同時申し込み」といった条件が定められていることがありますが、中には一切の条件がないサービスもあるのでぜひ探してみてください。
4−2.違約金負担キャンペーン
一部の電気通信サービスでは、他社の違約金を負担してくれるキャンペーンを行っている場合があります。
以下、違約金負担キャンペーンを実施している事業者の一例をまとめておきます。
ソフトバンク光 | 最大10万円分まで補填 |
---|---|
auひかり | 最大3万円分まで補填 |
コミュファ光 | 他社違約金全額補填 |
eo光 | 最大5万円分まで補填 |
Broad WiMAX | 最大1.9万円補填 |
これらのサービスへの乗り換えなら、たとえ今の電気通信サービスで違約金が発生する場合でも後から違約金分の金額が補填されます。
一度は立て替える必要がありますが、あとから返ってくると思えば気持ちも楽になるでしょう。
光回線系に多く見られるサービスなので、気になるサービスがある場合にはぜひご検討ください。
5.まとめ
本記事では、電気通信サービスを違約金なしでキャンセルできる初期契約解除制度について解説してきました。
申込書面を受領した日から起算して8日以内に、自分で作成した書面を発送していれば高額な解約金を支払わずに電気通信サービスを解約できます。
ただし、諸々の事務手数料や固定回線の開通工事費、端末の購入費用などは支払う必要があるので、必ずしも一切の支払いをせずに解約できる制度ではないということを覚えておきましょう。
インターネットの勧誘や光コラボの転用、速度に関してお困りではありませんか?
2015年から始まった光コラボレーションの普及により多くの事業者が顧客の集客に力を入れています。
「NTTかと思って契約したら違う会社だった」
「絶対に変えないといけないような勧誘だった」
「フレッツ光からコラボに移行して速度が遅くなった」
などなど・・実際に光コラボへの乗り換えによりこのような思いをされている方も多いはずです。
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