飲食店や店舗の開業に伴い、インターネット回線の契約は必須の手続きといえます。
店舗でインターネットを利用する場合、自分自身やスタッフが使うことはもちろん、顧客向けのフリーWiFiを用意することも考えなければなりません。
店舗運営を円滑に行うために、POSレジの導入や簡易オーダーのためのタブレット端末の導入を検討中の人も多いことでしょう。
そうなると重要になってくるのが、インターネット回線の通信速度やセキュリティ面です。
インターネット回線には光回線やポケットWiFi、WiMAXなど、様々なサービスが登場していますが、店舗で導入するなら「光回線」がダントツでおすすめと言えます。
そこで本記事では、店舗向けインターネット回線の選び方と、おすすめの光回線についてご紹介していきます。
店舗や飲食店のインターネットについてお困りではありませんか
店舗向けインターネット回線の選び方(カフェ・美容室・飲食店)
店舗を運営するにあたって、
- 顧客滞在率を上げるためのフリーWi-Fiの導入
- 売上管理や数値分析が簡単にできるPOSレジの設置
- スマホやタブレットを活用した注文システム
を利用するためには、安定してセキュリティ性の高い通信回線が必要不可欠です。
本項目では、カフェ・美容室・飲食店において重要な「インターネット回線の選び方」を解説していきます。
ポケットWiFiやWiMAXのホームルーターではなく光回線を選ぶ
インターネット回線は、大まかに分けると次の2通りがあります。
- 光回線やCATVなどの「固定回線」
- ポケットWiFiやWiMAX、スマートフォンなどの「モバイル回線」
一般的に、店舗で利用する際のインターネット回線として選ぶべきは「光回線」です。
光回線は、建物内に引き込んだ光ファイバーを用いてインターネットに接続します。
無線通信に比べて安定したデータ通信が可能で、1ヶ月あたりで使えるデータ通信量には上限がありません。
一方のモバイル回線は、月間のデータ容量に上限がついているサービスが多く、使いすぎによる速度制限で、店舗運営に大きな影響が出てしまいます。
光回線なら、どれだけ使っても速度制限に悩まされることがないので、いつでも快適な速度でインターネット接続が可能となります。
安定して快適なインターネット接続ができるサービスを選ぶ
店舗に導入するためのインターネット回線には、安定して快適なインターネット接続が求められます。
ポケットWiFiやWiMAXなどのモバイル回線は、最寄りの基地局と無線でデータ通信を行うことでインターネットに接続します。
無線通信は場所を問わず接続できることが強みですが、建物や人などの障害物の影響を受けて、安定したデータ通信が難しいケースが少なくありません。
また、モバイル回線では通信速度が速くても100Mbps程度しか出ず、同時接続台数が増えるほど快適さは失われてしまいます。
一方、光回線は室内に引き込んだ光ファイバーを介してインターネット接続を行うので、モバイル回線よりも安定した通信が可能です。
さらに、業務用の無線LANルーターは50〜100台までの同時接続が可能なスペックを有している機種も存在します。
その上、光回線を用いれば通信速度は100〜300Mbps程度は出るようになります。
同時接続台数が増えがちな店舗での運用を考えると、モバイル回線よりも光回線を選んだ方が良いでしょう。
法人名義での契約ができるかどうかを確認する
店舗向けのインターネット回線を契約する際は、法人名義での契約ができるかどうかも重要なポイントです。
法人契約だと、個人では契約できない格安プランやお得なオプションサービス、店舗運営を円滑に行うためのソリューションの紹介、専属の担当営業が付くなど、法人契約ならではのメリットが多いことが挙げられます。
店舗やオフィスの規模が小さければ個人名義で契約しても問題ありませんが、従業員数が数十人以上の中規模〜大規模な事業所の場合、法人名義で契約できた方が何かと便利なので、事前に確認しておきましょう。
固定IPアドレスを持てるかどうかも確認しておく
法人契約をする際は、その光回線で固定IPアドレスを持てるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
IPアドレスは、インターネット上の住所と表されることが多い「ネットワークに接続した通信機器の識別番号」のことです。
一般的なインターネット接続では動的IPアドレスが採用され、接続するたびにIPアドレスが変わってしまう場合があります。
固定IPアドレスは、その名の通りIPアドレスを固定することができるので、IPアドレスを参照して外部から社内ネットワークにアクセスするためのVPNなどのサービスが使えるようになります。
複数の店舗やオフィス間で、セキュリティ性の高いネットワーク接続を行うために必要不可欠なものなので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
光電話の導入ができるサービスを選ぶ
店舗を開業するにあたって、固定電話の設置は必要不可欠です。
飲食店やカフェ、美容室などであれば、自社が連絡用に使うメイン回線に加え、顧客の予約受付用の回線、場合によってはFAX用の回線も必要になるでしょう。
電話回線といえば、これまではNTTのアナログ電話回線を導入する必要がありましたが、昨今では光回線を利用する「光電話」が登場しています。
アナログ電話回線は、工事費用やランニングコストが割高で、店舗経営にあたって固定費がかさむのは大きな痛手になりかねません。
一方の光電話は、割安な工事費用でありながら、月額基本利用料は1回線あたり330〜550円と非常に安価です。
ただし、一部の光回線では光電話のサービスを提供していない場合があるので、店舗で利用するインターネット回線を比較する際は、光電話が使える光回線を選ぶことを心がけてください。
店舗向け光回線のおすすめ
ここまでにご紹介した「店舗向け光回線の選び方」を参考に、当サイトがおすすめする光回線をご紹介します。
光回線 | 戸建て | 集合住宅 | 契約期間 | 違約金 |
---|---|---|---|---|
フレッツ光 ※NTT東日本の場合 | 5,170円+プロバイダ利用料 | ミニ:4,455円+プロバイダ利用料 プラン1:3,795円+プロバイダ利用料 プラン2:3,355円+プロバイダ利用料 | 2年間 | 戸建て:10,450円 集合住宅:1,650円 |
ソフトバンク光 | 5,720円 | 4,180円 | 2年間 | 10,450円 |
NURO光 | 5,200円 | 5,200円 | 3年間 | 10,450円 |
※2021年9月時点の金額です
店舗向け光回線をどれにするか迷った時は、当サイトの相談窓口ヒカリコンシェルもご利用ください。
お客様に最適なインターネット回線の導入をお手伝いさせていただきます。
フレッツ光
店舗向けのインターネット回線として、ダントツでおすすめの光回線は、NTT東日本・西日本の「フレッツ光」です。
フレッツ光は、NTT東西が日本全国に敷設した光ファイバーを使う光回線で、幅広いエリアで利用できます。
法人向けのインターネット回線を提供してきた長い運営実績を誇り、個人契約はもちろん、法人契約においても抜群の信頼実績があります。
「24時間出張修理オプション」を提供しているので、店舗での利用中に万が一のトラブルが発生したときでも安心です。
インターネットの回線設備の撤去費用もかからないので、店舗の移転や退店をする場合であっても費用を安く抑えることができます。
このように、法人向けの様々なサービスを提供していることから、店舗向けのインターネット回線としてはフレッツ光がダントツでおすすめです。
戸建て | マンション | |
---|---|---|
月額料金 | 5,170円+プロバイダ利用料 | 3,355〜4,455円+プロバイダ利用料 |
開通工事費 | 19,800円 | 16,500円 |
契約期間 | 2年間 | |
契約解除料 | 10,450円 | 1,650円 |
エリア | NTT東日本/西日本エリア全域 | |
光電話の有無 | ひかり電話オフィスタイプ |
NURO光
NURO光は国内最速の光回線で、通常プランで最大2Gbpsの速度でインターネットが利用できます。
2021年からは料金プランが刷新され、他の光回線と比較して、安価な価格で利用できるようになりました。
法人に特化した「NURO Biz」も提供しており、月額料金は高いものの、帯域確保型インターネット回線が利用できることが特徴です。
帯域確保がされていると、利用者が増える時間帯であっても必要最低限の通信速度が保証されるので、従業員や来客数が多い店舗で運用する際には最適です。
ただし、NURO光はNTTのダークファイバーを利用する仕様上、利用できるサービスエリアは他の光回線よりも狭くなっている点には気をつけましょう
戸建て | マンション | |
---|---|---|
月額料金 | 5,200円 | |
開通工事費 | 44,000円 ※申し込み特典で実質無料 | |
契約期間 | 3年間 | |
契約解除料 | 10,450円 ※2022年7月から3,850円 | |
エリア | 北海道 関東:東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬 東海:愛知、静岡、岐阜、三重 関西:大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良 中国:広島、岡山 九州:福岡、佐賀 | |
光電話の有無 | NURO光でんわ |
ソフトバンク光
ソフトバンク光は、NTTのフレッツ回線を利用する光コラボレーションの内の1つです。
基本的な通信品質はフレッツ光と同様でありながら、ソフトバンクが提供する様々なサービスを利用できます。
ソフトバンク光の最大の特徴は、特典面やキャンペーンが豊富な点です。
開通工事費はキャンペーンで実質0円となり、申し込んだ時期によっては数万円以上のキャッシュバックを受け取れる場合もあります。
他社から固定回線を乗り換える場合には、その違約金をソフトバンクが負担してくれるキャンペーンもあるので、乗り換えの際の費用がほとんどかかりません。
また、ソフトバンクの営業担当が付くことで、同社が提供する様々なソリューションサービスも利用できるようになります。
自社に最適なサービスを選んで利用することで、店舗運営を円滑に進められるようになるでしょう。
戸建て | マンション | |
---|---|---|
月額料金 | 5,720円 | 4,180円 |
開通工事費 | 26,400円 ※キャンペーンで実質0円 | |
契約期間 | 2年間 | |
契約解除料 | 10,450円 ※2022年7月から戸建て5,720円マンション4,180円 | |
エリア | NTT東日本/西日本エリア全域 |
インターネット回線、電話回線の導入手順
新たに開業する場合のインターネット回線・電話回線の導入手順は、次のとおりです。
- インターネット回線・光電話への申し込み
- インターネット回線・光電話の開通工事
- 無線LANルーター(Wi-Fiルーター)を設置する
それぞれの手順で細かな注意点があるものの、大まかな流れとしては上記の3ステップでインターネット回線の導入が可能です。
自社に最適な光回線や、より詳細な説明を聞きたいという人は、当サイトの相談窓口よりお気軽にお問い合わせください。
1.インターネット回線・光電話への申し込み
まずは、自社で導入する予定のインターネット回線に申し込みましょう。
申し込む際、光電話の有無を選択することになるので、必要に応じて光電話にもお申し込みください。
申し込みが無事に終わると、光回線の運営会社から契約確認の折り返し連絡が来ます。
その際に、インターネット回線および光電話の開通工事を行う日程を取り決めます。
2.インターネット回線・光電話の開通工事
インターネット回線に申し込んでから開通工事が行われるまで、およそ2週間〜1ヶ月程度の時間がかかります。
開通工事が終わればその日からすぐにインターネットが使えるようになりますが、工事業者のスケジュールによっては、工事実施までに1ヶ月以上待たされてしまうことも起こり得ます。
飲食店やカフェ、美容室などの個人顧客向けの店舗を開業する場合は、開業日まで余裕をもたせたスケジュールでインターネット回線を契約するようにしましょう。
3.無線LANルーター(Wi-Fiルーター)を設置する
インターネット回線・電話回線の開通工事が完了したら、あとは無線LANルーター(Wi-Fiルーター)を設置するだけでインターネットが利用可能となります。
無線LANルーター1台だと、店舗面積が広い場合に隅々まで電波が届かない場合もあります。
そういった場合は、中継機やメッシュWi-Fiなどを駆使して、各所にインターネットのアクセスポイントを構築するようにしてみてください。
また、無線LANルーターを設置する際は、自社で使う用・来客用のアクセスポイントを切り分けられる「ゲストWi-Fi機能」があるものを選ぶのがおすすめです。
たとえば、NTTが提供する「ギガらくWi-Fi」は、店舗向けの便利な機能が盛りだくさんの無線LANルーターです。
NTTで設定済みの端末を送ってくれるので、自店舗のインターネット回線に接続するだけで、店舗運営に必要なゲストWi-Fi機能などが利用できるようになります。
店舗でインターネット回線を契約するにあたってわからないことがある人は、ぜひ当サイトの相談窓口よりお気軽にご相談ください。
契約時の注意点
店舗向けのインターネット回線を契約する際には、いくつかの注意点が存在します。
- 光回線の開通工事ができるかどうかを物件の管理会社に確認しておく
- 移転する時のことも視野に入れて光回線を選ぶようにする
- 電話回線のチャネル数についても検討しておく
- 不動産の○○パックは本当に必要な機能がある場合のみ契約する
光回線の開通工事ができるかどうかを物件の管理会社に確認しておく
光回線を導入する際には、必ず「開通工事」を行うことになります。
すでに設備が導入済みのテナントであれば問題ありませんが、賃貸物件に新しくインターネット回線や電話回線を引き込む場合には注意が必要です。
開通工事を行う際は、場合によっては壁や床に穴を開けて回線を引き込むケースがあります。
賃貸物件はオーナーの所有物なので、その物件で工事を行う際には必ずオーナーからの許可を得なければなりません。
許可を得ないまま、勝手に開通工事を行うと、後々になってから損害賠償を請求されるケースも起こり得ます。
これからテナント選びをする際は、光回線の回線設備が導入済みか、開通工事を行うことは可能かを確認しておくようにしてください。
移転する時のことも視野に入れて光回線を選ぶようにする
店舗やオフィスを移転する時のことも視野に入れて光回線を選ぶようにしましょう。
光回線は、大きく分けると4つのジャンルに分類されます。
- NTT系光回線(フレッツ光、光コラボレーション)
- auひかり
- NURO光
- 電力系光回線(コミュファ光、eo光など)
上記の内、NTT系光回線以外は一部の地域でしか利用できなかったり、特定の都道府県では申し込みができなかったりする場合があります。
そのため、店舗の移転先によっては今まで使っていた光回線を継続できず、やむなく解約せざるを得ないことが考えられます。
一方、NTT系光回線は日本全国の幅広いエリアで利用できる光回線なので、たとえ他県に移転する場合であっても高確率で継続利用ができます。
継続利用ができれば、光回線の移転にかかわる費用を安く抑えられるので、特別な理由がない限りはNTT系光回線を選んでおくのがおすすめです。
電話回線のチャネル数についても検討しておく
光回線を契約する際は、電話回線のチャネル数についても検討しておきましょう。
たとえば、メイン回線の他に予約用やFAX用の電話回線が必要な場合は、全部で3チャネル分の回線が必要となります。
チャネル数についても検討しておかないと、余分に電話回線を引くことになり、その分だけ開通工事費や余計な出費が発生してしまいます。
飲食店やカフェ、美容室などを開業する場合は、電話回線のチャネル数についても確認しておくことを忘れないようにしましょう。
不動産の○○パックは本当に必要な機能がある場合のみ契約する
不動産でテナントを契約すると、インターネット回線や電話回線などの申し込みが簡単にできる「○○パック」というサービスを紹介される場合があります。
一見すると、面倒な手続きをまとめて代行してくれる非常にお得なパックに見えるのですが、申し込む場合はサービス内容をしっかりと把握した上で契約するようにしてください。
不動産の「○○パック」は、インターネット回線や電話回線の契約代行の他に様々なオプションサービスが含まれている場合があります。
そのため、自分で光回線に申し込んだ場合と比べて、驚くほど高額なパック費用が請求されることになるので注意が必要です。
まとめ
以上、店舗向けのインターネット回線の選び方や、おすすめの光回線サービスについてご紹介しました。
開業するにあたって、インターネット回線の契約は必要不可欠ですが、今ではサービス数があまりに膨大となっているので、どれを選べばよいのか迷ってしまいがちです。
もし、光回線選びでお困りの際は、当サイトの相談窓口よりご相談ください。
豊富な知識とこれまでの運営実績から、開業する店舗に見合った最適なインターネット回線をご紹介させていただきます。
店舗や飲食店のインターネットについてお困りではありませんか