最近やたらと耳にする「IPV6」というワード。
なにやら通信速度が速くなるらしいということは分かっても、 「IPV6って何?」「どうすれば早くなるのかが分からない」 なんて悩みはありませんか?
また、具体的にどの程度速度が違うのか、どうすればIPV6にできるのかという点も分かりにくい所です。
そこで今回はこれらの問題をすべて解決するため、IPV6とは何か、通信速度はどの程度違うのか、どうすればIPV6にできるのかなどを詳しく解説します。
通信速度に悩んでいる人は特に必見ですよ。
1.IPV6って何?わかりやすく解説
まずは、基本情報としての「IPV6とは何か?」について確認しましょう。
1−1.IPV4とIPV6って何が違うの? 特徴等詳細
IPV6とは「Internet Protocol Version 6(インターネット プロトコル バージョン6)」の略で、「プロトコル」とはコンピューター同士が通信をする際の手順や規約などの約束事のことです。
つまり、IPとは「インターネット上で通信をする際のルール」と言うことができ、簡単に言うと0と1だけでやり取りをするのに、最初の何桁は何を表すか、次の何桁は何を表すかなどを決めたものです。
これまではIPV4が主流で、「2の8乗×2の8乗×2の8乗×2の8乗」の組み合わせ、計約43億通りのIPアドレスを振ることが可能でした。
しかしこのIPアドレスは同じものを別のパソコンなどにふることができないため、この数では近い将来不足することが懸念されており、そのため考え出されたのが「IPV6」です。
IPV6は2の128乗、つまり3.4×10の38乗通りの組み合わせのIPアドレスを作ることができるため、「次世代のインターネットプロトコル」として注目されているのです。
1−2.IPV4とIPV6の速度比較
では、なぜ「IPV6は速い」と言われるのでしょうか? それは接続機能の違いです。
IPV4では、「PPPoE(PPP over Ethernet)」というプロトコルでフレッツ網に接続していますが、これはプロバイダとの接続に用いる設備、「網終端装置」というものを通らなければなりません。
そのため通信速度は「網終端装置」の設備許容量に左右され、現在では一般に利用者の多いゴールデンタイム(19時~22時程度)に混雑が起こって通信速度が遅くなってしまっているのです。
対してIPV6は「PPPoE」だけでなく「IPoE(IP over Ethernet)」というプロトコルを使うことができます。
この「IPoE」は、プロバイダの網終端装置を通らず、VNE事業者のネットワークを通ってインターネットに繋がることができます。
このためIPV4のような網終端装置での混雑が起こらず、結果としてゴールデンタイムでも通信速度の低下が起こらないのです。
では実際に、速度はどの程度違うのでしょうか? それはパソコンの性能や利用している地域、その他利用環境によって大きく異なりますが、Twitterのクチコミに参考になるものがありましたので載せてみます。
ipv6とipv4の違い!携帯でもこんだけ違う pic.twitter.com/rqiLeP7IEB
— きむにぃ@ぼっち (@kimuragamuffin) May 1, 2018
IPV4:53.6Mbps IPV6:160Mbps
ふぁ!?(;゚д゚)
今日ヨドバシカメラ寄った時に、プロバイダ変える前にIPV6なるものに変えてみたら回線速度改善するかもと聞いて試してみた結果…
IPV4← →IPV6 pic.twitter.com/qVt0SctVbj— はちゃち ⛩ Live2D Designer Vtuber (@hatyati) June 18, 2017
IPV4:1.63Mbps IPV6:276.75Mbps やはり「IPV6は速い」ということができますね。
1−3.IPV6プラスとは?
IPV6プラスとは、「IPv6 IPoEとIPv4 over IPv6の複合技術」です。
具体的に言うと、もともとIPV4のパケットを、混雑するIPV4 PPPoE経路を通らせずに一時的にIPV6形式に変換し、IPV6 IPoE経路を通した後IPV4形式に戻すというもので、従来の網終端装置での混雑を避けることができるため通信速度の向上が見込め、さらにIPV6の利用に必要な「通信先のWebサーバーがIPV6に対応していること」という条件が必要なくなります。
もともとIPV6を利用する場合には、IPV4とIPV6に互換性がないため、
- パソコンなどの端末
- 家庭内やISPなどのネットワーク
- ホームページやメールなどのサービス
のそれぞれがIPV6に対応している必要があります。
現在「端末」については対応しているものがほとんどとなっており、「ネットワーク」も対応しているものが多くなってきていますが、ホームページなどの「サービス」については対応を行っていない所が多く存在します。
そのため、「IPV6のみの利用だとサイトが見られない」ということが起こってしまうのです。
これに対してIPV6プラスは、最終的にIPV4形式に変換するためこのようなことが起こりません。
1−4.ルータや設定はどうなる!?
IPV6プラスを利用するにはIPV6プラスに対応したルータが必要で、まずはこれを準備する必要があります。
また、パソコンの設定も変更する必要があります。
具体的な手順はこの後載せますが、まずは対応ルータとパソコンの設定変更が必要があることを覚えておきましょう。
2.自宅のインターネットをIPV6にする方法
では次に、具体的にどのようにして自宅のインターネットをIPV6にするかを確認してみましょう。
2−1.IPV6サービス対応のプロバイダとサービスを選択する
まずはIPV6サービスを提供するプロバイダを選択する必要があります。
例えばBUFFALO製のルータで、動作確認済みのISP事業者とサービス名は次の通りです。
ISP事業者 | サービス名 |
---|---|
DMM光 | v6プラス |
GMOとくとくBB | ドコモ光 v6プラス |
IC-NET | v6プラス |
IIJ | IIJmioひかり(IPoE方式) IIJmio FiberAccess/NFサービス |
BBエキサイト | エキサイト MEC光 |
So-net | v6プラス |
@nifty | v6プラス |
BIGLOBE | v6プラス |
(参考:IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)対応確認済みリスト | バッファロー)
2−2.IPV6オプションを申し込む
IPV6の利用には、オプションの契約が必要です。
このオプションは全てのプロバイダで無料となっていますので、安心して申し込みができますね。
2−3.対応ルータを購入する
IPV6の利用には、対応したルータが必要になります。
対応ルータは市販で購入することができます。
仕様の詳細で対応していることを確認しましょう。
3. IPV6へ変更!その設定方法とは?
なお、パソコンの設定も変更する必要があります。
具体的には、コントロールパネルのイーサネットのプロパティから、 「IPV6アドレスを自動的に取得する」 「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」 をONにしましょう。
こうすることで初めて、IPV6サービスを利用することができるようになります。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか? 今後IPV4でのアドレス枯渇が進むにつれ、どんどんIPV6への移行が進んでいくと思われます。
しかしすでに通信速度の遅さに悩んでいる場合には、簡単に切り替えることができるので、IPV6への移行を検討してはいかがでしょうか?